Aalto(アアルト):不動産売買の売り手と買い手を直接繋げるマーケットプレイス運営のビジネスの特徴、日本の類似会社

不動産売買海外企業

セコイア・キャピタルのポートフォリオに含まれるAalto社

アメリカのトップVCのポートフォリオに含まれているAaltoという会社を紹介します。不動産に関するオンラインのマーケットプレイスを提供しているサンフランシスコの会社です。

Aalto - Buy a home online
Agent-level data on demand, online offer creation, cash back at closing

不動産の買い手と売り手を直接繋ぐ住宅売買マーケットプレイスで、3万人以上の買い手のネットワークを持っています。

現在、アメリカのベイエリア(アラメダ、コントラコスタ、マリン、ナパ、サンフランシスコ、サンマテオ、ソノマ)の不動産を対象にしています。

不動産売買のオンラインマーケットプレイスのビジネスの特徴

従来の住宅の売買は、関係者全員がストレスを感じ、費用と時間をたくさんかけてきました。

仲介業者への情報提供、内覧会のスケジュール調整、売買条件の交渉などのプロセスを、売り手と買い手が仲介業者を介して行なっていました。住宅売買の煩わしさは、売買可能な不動産が市場に出回ることを妨げていました。また、仲介業者を介することによって売り手が得られる収入も大きく減ってしまっていました。住宅の売買という人生の中で最大級のイベントを、時代遅れの方法で行なっていました。

そこで、売り手と買い手を直接結びつけるプラットフォームにより、その課題が解決されました。売り手は自分のコントロール下で、情報の掲載、内覧会の設定を行うことができ、また、5分程度の操作でマーケットプレイスに売り手が販売しようとしている住宅情報を掲載することができます。買い手としてふさわしい対象者に住宅を見てもらうことができます。

買い手としては、このマーケットプレイスに掲載されている住宅の内覧会参加をシームレスに行うことができます。

アラート設定、キャンセル待ちリスト、内覧会のスケジュール設定、仲介業者のネットワークのみで持っていた情報の共有などにより、利便性が非常に高くなっています。

不動産売買には専門的な知識が必要になることがあります。その場合にはAalto専任の専門家にサポートしてもらうことができます。

アメリカでは仲介業者の手数料が2%~2.5%くらいかかりますが、Aaltoのマーケットプレイスを利用すると手数料は1%で済みます。売り手自らコントロールし、必要に応じて専門家のサポートも受けられ、仲介手数料は半額以下となります。

従来の不動産売買のように仲介業者を通す必要はなく、売り手自身で住宅の情報を掲載できます。Aalto専任のアドバイザーが写真撮影、スケジュールなどのプラン作成、条件交渉を行い、これら全てのサービスを含めて不動産売買価格の1%の手数料で済みます。

マーケットプレイスの売り手と買い手の利用方法

Aaltoが提供しているAalto Homeowner Marketplaceは、不動産を売却しようとする売り手が、買い手とその代理人と直接、住宅に関する情報を共有できるオンラインマーケットプレイスです。

売り手は、アプリ内メッセージなどを通じて、Aalto所属またはAaltoの不動産エージェントに相談することもできます。

売り手側の手順

  • Aaltoからのいくつかの質問に回答し、買い手の需要を確認
  • 売り手の家の写真や想定価格をAaltoマーケットプレイスに掲載
  • 興味を持っている買い手とコミュニケーション
  • 買い手に対して内覧会を行う
  • Aaltoのアドバイザーが条件交渉を管理し、デジタルで契約締結

買い手の手順

  • 売り手が入力した住宅情報を閲覧
  • Q&Aなどを通じて売り手と交流
  • 内覧会を予約、住宅にオファー

内覧を予約する前に、購入者はライセンスを持った第三者の不動産エージェントを指定して物件を見学するか、Aalto アドバイザーと一緒に物件を見学する必要があります。

Aaltoのマーケットプレイスで買い手として情報を試しに閲覧してみました。掲載されている情報は日本の不動産売買サイトと同じような内容が掲載されていて、外観や間取りを見ることができます。特定の住所は記載されておらず、google mapで円が表示されていて、概ねの場所を把握できます。

日本における類似サービス

日本でも住宅の売買取引を売り手と買い手が直接繋がるプラットフォームが存在します。

売り手から情報掲載料を受け取る、別途アドバイザー料を受け取る、買い手につく仲介業者への紹介料を受け取ることでマネタイズを図っているものと思われます。下記の3社ではプラットフォームを提供しており、手数料1%であったり、その報酬の中で専門的なアドバイスを行うAaltoとは異なるサービスとなっています。アメリカと日本とで業界の慣習やルールが異なるため、それによる差も存在するものと思われます。

株式会社Buycullが売り手と買い手を直接繋げるプラットフォームを運営しているようです。2021年10月時点では、売り手から掲載料1,000円/月を受け取り、買い手からはサービス利用料は受け取っていないようです。

株式会社property technologiesがKAITRYという価格審査システムを提供していますが、売り手・買い手、プロ・個人の全方位型のプラットフォームを目指しているとのことです。

株式会社FLIEも売り手と買い手で直接取引を行う不動産情報サイトを運営しています。売り手から情報掲載料を受け取っているのと、FLIEエージェントとして別途サービスを提供しているようです。

日本では、駅の側に多くの不動産会社が存在するように、住宅の売買取引は従来からの方法がとられていると考えられ、それが変化していく可能性があります。その中で海外のAaltoのような会社を参考にされることもあり、注目していければと思います。

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