Snackpass(スナックパス)の概要
Snackpass(スナックパス)を紹介します。
レストランやカフェの食べ物や飲み物を注文するためのアプリのサービスを提供している会社です。
Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)などの会社からも支援を受けています。アンドリーセン・ホロウィッツについては、下記コラムでご紹介してますので、併せてご覧ください。
コロナの影響も大きく受けて、Uberや出前館などのデリバリーサービスが急激に拡大しています。ウイルスの感染防止のため、レストランでの食事を避けられるようになる中、配達やテイクアウトが一般的になってきました。
スナックパスは、デリバリーサービスではなく、事前にオンラインで注文、決済を済ませ、店舗で出来上がった料理を受け取ることができるサービスです。
スナックパスは2016年にJamie Marshallジェイミー・マーシャル、Kevin Tanケビン・タン、Jonathan Cameronジョナサン・キャメロンによって創業されました。
アメリカの超名門イェール大学において、創業者たち自身の疑問から生み出されました。
Uber Eats、Lyftなどのフードデリバリーサービスが使われるようになる中、大学内でフードデリバリーのサービスは使い勝手は良くありません。
限られた大学キャンパスの敷地内で、高い手数料をかけてまで配達してもらう意味がないからです。
それよりも、レストランで注文して、代金を支払って、料理が出来上がるのを待つ、という煩わしさを解消する必要があると考えました。
そこで、オンラインの注文・決済を事前に行い、レストランに行ったら、待つことなく料理を受け取ることができるサービスを始めました。
レストラン側としても、注文を受けて、代金を受け取るための手間を減らすことができますし、行列ができていた場合にお客様が別の店へ行ってしまう機会損失も減らすことができます。
このアプリでは、ソーシャル性を持たせることで差別化を図りました。
利用者が大学のキャンパス内の大学生のため、学生時代からインターネットやSNSを利用しているデジタルネイティブの世代です。
そこでユーザー間の共有や、レストランで利用できるギフトを送り合うなどの繋がりを持てるようにしました。
デリバリーサービスや他の注文アプリの競合他社は、できるだけ早く、安く配達できるようなサービスを目指しました。
そうではなく、ユーザー同士の連携によってアプリを利用し続けるロイヤリティを持たせることができました。
これはレストラン側へも重要なものでして、リターゲティングやロイヤリティ機能によるリピーターの獲得の施策が可能になります。また、スナックパスのデータにより、新規顧客の獲得、人件費の削減、予約注文が予測できるようになり処理能力の向上、などの価値をもたらしました。
スナックパスの特徴・使い方
スナックパスのサービスを利用する手順は次の通りです。
- スナックパスアプリを使って、外出先で注文
(または、ウェブサイト、バーチャルメニューのQRコード、お気に入りのレストランのスナックパスのキオスクで利用できます。)
- 指定されたスナックパス受取場所に行くか、注文者の名前を伝えて受け取る
行列に並ばないで、料理をピックアップできます。
- アプリを利用すれば、注文時に付与されるポイントをスナックパスを使っている友達にプレゼント、または、無料フードと交換
スナックパスのアプリサービスは、他のデリバリーサービスとは異なり、料理を注文して取りに行くものです。オンライン注文ができるサービスは、日本では、マクドナルドや吉野家でも独自にサービス提供されているものではあります。
ただし、スナックパスは大学キャンパス内の数多くの店舗で注文できて、頻繁に新規店舗が追加されて行きます。また、他のデリバリーサービスと異なり、注文できるメニューに制限はなく、全ての料理を注文できます。
事前に注文しておくことで、飲食店へ行けばすぐに料理を受け取ることができます。
一部の店舗で追加料金がかかる場合はありますが、最大0.25ドル程度です。デリバリーサービスのように誰かに運んでもらって高い手数料を払う、ということはありません。
なお、スナックパスはレストランから、注文ごとに7%という低い手数料を受け取っているようです。
スナックパスを利用した料理の注文や友人へのプレゼントは、非公開設定しなければ、アプリを利用している友人と共有できます。SNSを使ってシェアすることに慣れている学生にとって使い勝手が良く、利用者は急激に増加しています。周りの学生が利用しているサービスを自分が使っていないと不安になる、といった現在のソーシャルな機能の重要性をしっかりと捉えているのです。
日本の類似会社
日本でもデリバリーサービスの自転車やバイクをよく見かけるようになりました。また、ほとんどの飲食店でテイクアウトを取り扱うようになりました。
そこでテイクアウトのための注文サービスを行なっている会社も増えています。
- menu株式会社
menu(メニュー)は、スマホ1つでテイクアウトもデリバリーも注文できるフードサービスです。
テレビCMも積極的に行なっていて認知度が上がっているサービスで、登録店舗は60,000店以上です。
- 株式会社DIRIGIO
DIRIGIOが提供しているのが「Picks」というサービスで、今いる場所から近くのテイクアウト可能な飲食店を簡単に検索できます。
テイクアウト専門店はもちろん、いつも行列ができている有名店など様々なお店が3,000店舗以上、登録されています。
オンラインで注文、決済ができて、それによってポイントや割引を受けられるサービスが増えています。スナックパスはそこにソーシャルという要素を盛り込んでいます。今後、競合他社が増えていく可能性もあり、どのような差別化が進んでいくか、楽しみなカテゴリーです。
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