ブラッドが運営するバーチャル・インフルエンサーとは
Twitter、Youtube、Instagram、TikTokといったSNSで有名になったインフルエンサーが数多くいます。
モデル、タレント、芸人ではなく、踊り、コスメの紹介、企画などで動画や写真を作り、それによってフォローワーや視聴者数を増やし、影響力を持つ人が増えています。
中には、Vtuberと言われるバーチャルなキャラクターのyoutuberも存在していて、架空のキャラクターが影響力を持つこともあります。
アメリカ・ロサンゼルスに拠点を置くBrud(ブラッド)は、「Lil Miquela」(リル・ミケラ)という女性のバーチャル・インフルエンサーを作り、インフルエンサーの新時代を切り開いています。
2018年にアメリカのトップVCセコイア・キャピタルがブラド社とパートナーとなりました。セコイア・キャピタルについては、合わせて次のコラムもご参照ください。
また、2021年にNFT(非代替性トークン)を取り扱っているDapper Labsがブラッドを買収しました。
2016年に、Trevor McFedries(トレバー・マクフェドリース)とSara DeCou(サラ・デクー)がブラッドを設立しました。
トレバー・マクフェドリースは、2007年からDJ Skeet Skeetという名前でDJ活動を行なっていました。2011年にはケイティ・ペリーのツアーに参加しました。
その後、Yung Skeeterという名前で活動を行い、他のアーティストのプロデュースを行なっています。2012年にはSportifyのアーティスト・アドボケイトを務めました。
ブラッドが制作したバーチャル・キャラクターのリル・ミケラは、SNSにおいて現実とフィクションをミックスした日常生活の映像・画像をアップしています。
ロサンゼルス在住の19歳で、ブラジル人とスペイン人のハーフです。
Instagramで3百万人、TikTokで3百万人、Facebookで120万人、Youtubeで27万人のフォローワーがいます。
リル・ミケラの他には、男性キャラクターのBlawko22、女性キャラクターのBermudaisBaeなどのキャラクターが制作されています。
インフルエンサー・リル・ミケラはロボット?
リル・ミケラは、現実世界に生きる架空の女性キャラクターです。人間をモデルにして、その上にアニメーションを施しています。
彼女自身はAIロボットであると表現していますが、実際はブラッド社にコントロールされたバーチャルな存在です。
彼女は、Supremeなどのカジュアルウェアや、Chanelなどの高級ブランドの服を着ています。
また、実在するミュージシャン、アーティスト、インフルエンサーたちと、ニューヨークやロサンゼルスの実在するおしゃれなレストランで一緒に過ごします。
魅力と批判
2019年に、カルバン・クラインのキャンペーンで、スーパーモデルのIsabella Khair Hadid(ベラ・ハディッド)とキスする写真を撮影しました。
現実の女性モデルとバーチャルの女性モデルのキスシーンのため、良くないプロモーションとして批判をする人もいましたが、一方でリル・ミケラの一種のカミングアウトと捉える人もいました。
リル・ミケラを一つのキャラクターとして、ストーリーや個性を持たせて、そこを魅力に感じるファンが多くいるのです。
複数のSNSを合わせると8百万人以上のフォローワーがいる影響力が大きいインフルエンサーですので、実在する他のインフルエンサーの仕事を奪う、という批判を受けることもあります。
ただし、開発チーム、企画チーム、マーケティングチームなどの仕事が増えているため、一概にデジタルによって労働が奪われている、ということにはなりません。
著名人や雑誌
インフルエンサーとして、実在の有名人との写真をSNSに投稿したり、雑誌に登場することがあります。
著名人との写真
- Diplo
- Molly Soda
- Millie Bobby Brown
- Nile Rogers
- Shane Dawson
- Samantha Urbani
- Pabllo Vittarなど
雑誌
- Refinery29
- Vogue
- Buzzfeed
- v-files
- Nylon
- the Guardian
- Business of Fashion
- The Cut
- Highsnobietyなど
日本の類似企業
日本ではアニメのようなキャラクターのVtuberが多数存在しています。
それに加えて、バーチャル・インフルエンサーを運営している会社も存在します。
- 株式会社Aww
日本初のバーチャル・ヒューマンの制作会社で、「imma」というバーチャル・インフルエンサーを運営しています。
3DCGによって、現実の人のようなキャラクターをバーチャル上で生み出してプロデュースしています。
- 株式会社yutori
ZOZOの子会社のyutoriでは、バーチャルインフルエンサーが所属するモデルエージェント「VIM」(https://virtualmodel.net)を設立しました。
バーチャルインフルエンサー「葵プリズム」「uca」をプロデュースしています。
商品やサービスの広告を行う際にフォローワーの多いインフルエンサーを活用することが多いですが、その中でも実在しないバーチャルなインフルエンサーが注目されています。
日本において、バーチャル・インフルエンサーが増えていくのか、注視していきたいです。
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