フェチ・リワードの概要、視点
Fetch Rewards(フェチ・リワード)は、普段の生活でコンビニ、スーパーマーケットにおいて商品を買うことでポイントを取得できるスマホアプリです。

消費者のお買い物という、日々行われる行動の情報を取得するサービスのため、多くの企業と提供しています。その点で、非常に興味深い会社です。
アメリカのトップVCであるGreycroft(グレイクロフト)が2018年にパートナーとなっています。グレイクロフトについては下記で紹介してますので、併せてご覧ください。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ホームセンターやガソリンスタンドで商品を買って、そこで受け取るレシートを写真に撮るだけで、ポイントをもらえます。
何かを買おうと思った時に、どこに行ってもレジで「ポイントカード」の提示を求められますよね。
フェチ・リワードは、レジではなく、あとで貯まったレシートをスキャンすれば良くて、暇な時間に財布のレシートを写真に撮ることでポイントを貯めることができます。
アメリカ・ウィスコンシン州で会社は設立され、今ではアメリカ全土でサービスを提供しています。
月間1,000万人のアクティブユーザーがいて、10億枚のレシート写真を保有している、成長中の会社です。

2013年、大学生だったWes Schroll(ウェス・シュロール)が、日常的な買い物で、買い物客が報われていないように感じました。使える場所が限られたポイントをもらえることはあっても、使い勝手がいいものではありませんでした。
それをきっかけに、買い物客がしっかりと報われるようなポイントプログラムのサービスを生み出しました。
消費者にとって、できるだけ簡単な方法でポイントをもらえることがストレスなく楽しみながら利用できるものと考えました。
そこで、どの小売店の買い物でもポイントがもらえるようにしました。オンラインでショッピングする人も多いので、実店舗・オンラインともに使えます。
また、手間のかかる作業が必要だと、使われなくなってしまいます。そのために、スマホでレシートを写真に撮るだけで、あとはアプリが処理してくれるようにしました。
全てのレシートでポイントを取得できますが、特定のショップやキャンペーン中であれば、さらに追加でポイントをもらえます。
自分のポイントをギフトカード、雑誌の定期購読、寄付など、いろいろな特典に交換できます。

それでは、一方で、フェチ・リワーズや、パートナーの会社は、どのように対価を得られるのでしょうか。
小売店でも、オンラインショップでも、消費者のレシートを入手できるため、消費者と常に直接、プラットフォーム上で接点を持ち続けています。
どのような商品に興味を持って購入しているかを知っているため、適切なタイミングで、適切なニーズに応じた商品の提案ができます。
パートナー会社にとっては、自社の商品の広告ができ、それによって売上を増やすことができます。
フェチ・リワードのアプリを利用している消費者との関係をもとに、パートナー会社のブランドの認知度を上げられ、それによってパートナー会社と消費者との関係性を作ることができます。
フェチ・リワードはその対価として報酬を受け取っています。
フェチ・リワードの使い方・特徴
レシートのスキャン
どの店のレシートでも、アプリで写真を撮ることで、1枚につき最低25ポイント取得できます。
スペシャルオファーやパートナー会社のブランドの商品があれば、より多くのポイントを付与してくれます。
1,000ポイントで1ドルのギフトカードと交換できる割合ですので、レシート1枚あたりのポイントはそこまで大きくありません。
ただし、どの店のレシートでもポイントをもらえるというのは、難しく考える必要がないのでストレスが少なくて済みます。
なお、現状のルールでは、アメリカかプエルトリコで受け取ったレシートで、レシートを受け取ってから14日以内にスキャンする必要があります。
また、7日間で35枚のレシートという、スキャンできる枚数に制限があります。
スペシャル・オファー
アプリ上、常に数十種類のスペシャル・オファーを確認できます。対象商品のレシートをアップロードすると、ボーナスポイントがもらえます。
これによって、250~5,000ポイント(0.25ドル~5ドル分)入手できます。対象外の商品のレシートより10倍以上のポイント付与率ですので、非常にお得です。

対象のブランドの商品購入
フェチ・リワードは、ユニリーバ、キンバリー・クラーク、ペプシコ、その他何百ものブランドと提携しています。
これらのブランドの製品を購入すると、価格の1%以上のポイントをもらえます。
どんなブランドが対象になっているかは、アプリ内で検索することで、すぐに探せます。
カテゴリー
カテゴリーは多種多様で、下記のように分けられています。
- ベビー
- ベーキング
- ビューティー
- ビール、ハードサイダー、セルツァー
- 飲み物
- パン・ベーカリー
- 朝食とシリアル
- キャンディー&スイーツ
- 缶詰 & スープ
- 調味料とソース
- 乳製品・冷蔵品
- 冷凍食品
- 食料品
- ヘルス&ウェルネス
- ハウスホールド
- 雑誌
- 肉・魚介類
- オーラルケア
- パーソナルケア
- スナック
- スピリッツ
- ワイン
日本の類似会社
日本でもレシートをスキャンして、ポイントをもらえるというサービスがあります。
- 株式会社リサーチ・アンド・イノベーション
「CODE」というスマホアプリを運営していて、レシートと商品バーコードをスキャンするだけでポイントが貯まります。簡単にポイントを取得できて、家計簿としても利用できます。
- キャッシュビー株式会社
「CASHb」は、アプリを通してレシートと対象商品のバーコードを送信すれば、CASHbのポイント「CB」が貯まります。取得したCBはコンビニなどで現金に換えられます。

日本の会社が提供しているレシートアプリは、レシートと商品のバーコードの両方をスキャンする必要があるようです。
個人情報の取得が厳しくなる中で、消費者にもブランドにもお得なサービスですので、今後の動向が気になります。
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