Beyond(ビヨンド):民泊などの管理者・オーナー向け収益管理システム・ダイナミック・プライシングツール運営会社

ダイナミック・プライシング海外企業

Beyond(ビヨンド)の概要

アメリカのトップVCのポートフォリオに含まれているBeyond(ビヨンド)という会社を紹介します。短期滞在用の賃貸マンションなどの動的な価格設定(ダイナミック・プライシング)ツールや、収益管理システムを運営している会社です。

Beyond | Revenue Management for Vacation Rentals | Dynamic Pricing Tool for Airbnb, Vrbo and more
Beyond, formerly known as Beyond Pricing, is the #1 revenue management software for short-term vacation rental property managers and owners. Get started today w...

2013年に共同創業者兼CTOのDavid Kelsoが、短期滞在用のマンションの価格設定ツールを構築し始めました。David Kelsoが、サンフランシスコのアパートの空き部屋を賃貸していて、その際に類似物件の価格を参考に価格設定していました。航空チケットや、ホテル予約では利用されていた価格設定の仕組みが、短期滞在用のマンションなどには存在しませんでした。

共同創業者兼CEOのIan McHenryはホテル業界に従事していたため、オラクルのOperaシステムを利用していました。ホテルの高度な価格設定はこれらのシステムと連携して運営されています。

そこに問題点やチャンスを見出し、需要と供給に合わせて価格を変動させる動的な価格設定(ダイナミック・プライシング)ツールが必要と感じました。

現在では、地域的な需要、季節性、曜日などの要因に基づいた価格設定のほか、収益の最大化・稼働率上昇に必要なツールを備えて、7,500都市、340,000件以上のリスティングを支援しています。

Airbnb、Vrbo、Booking.comなどのOTA(Online Travel Agent_オンライン・トラベル・エージェント)と連携することができ、また、V12、Escapia、StreamlineなどのPMS(Property Management System_プロパティ・マネジメント・システム)との連携も可能です。

beyondの価格設定ツールの特徴

動的な価格設定のダイナミック・プライシングは、静的な価格設定のスタティック・プライシングで必要となる面倒な推測作業を省略し、また、不確実性を軽減します。過去のデータやリアルタイムのデータに基づき、需要に応じた価格設定を自動的に行います。

料金体系は定額制ではなく、成果報酬型でして、実際に予約が行われた場合にのみ1%の料金を支払うことになっています。初期費用や導入費用はなく、利用者が成果を上げるとともにBeyondが収益を得ることになります。

Beyondの動的な価格設定は、個々の市場の特徴に基づいたビッグデータを利用します。他社の提供するダイナミックプライシングモデルと異なり、各市場の独特な状況を考慮するため、画一的なアプローチとはなりません。そのため、全ての都市でサービス提供できているわけではなく、市場を調査した上で新しい都市を追加しているようです。

Relay(リレー)、Signal(シグナル)の概要

Beyondは、動的な価格設定のツールの他に、OTAとの同期を行う機能のRelay(リレー)と自社サイトの管理ツールのSignal(シグナル)を提供してます。下記で簡単にご紹介します。

  • Relay(リレー)

価格をBooking.comなどのOTA(オンライン・トラベル・エージェント)と自動的に同期する機能を持ちます。あらゆる場所に価格を同期でき、また、空室状況を正確に表示できることから、ダブルブッキングを防ぎます。

Beyond社は、ホテル管理システムに夜間料金を最初に同期させた会社でして、さらに、元々の宿泊料金、最低宿泊日数などを動的に同期できるようにしました。

リレーを利用する場合は、リレーで管理することにした販売チャネルに対してのみ、ダイナミック・プライシングのサービスに加えて1%の課金がされます。

  • Signal(シグナル)

短期滞在用の賃貸マンションのウェブサイトビルダーと予約システムのSignal(シグナル)を提供しています。

OTA(オンライン・トラベル・エージェント)を介しての集客のほか、自社サイトで集客することは利益率などの面で重要な戦略となります。リピーターを獲得したり、顧客満足度を向上させることができ、また、ベストレートでの価格提示もできます。

ウェブサイトの準備にあたっては、SEO(Search Engine Optimization_サイトが検索された際に上位に表示されるような対策)の面で優れている必要があり、Signal(シグナル)を利用することで、その対応が可能となります。

日本の類似会社

日本の企業でも、宿泊業に対する価格設定ツールや収益管理ツールなどを提供している会社があります。ビッグデータや機械学習を利用して、市場のデータをもとに適切な価格を提示しています。

  • メトロエンジン株式会社

ホテル・宿泊施設やレンタカー向けにダイナミックプライシングツールを提供してます。また、宿泊特化型で東急ホテルズや藤田観光が利用している価格設定などのツール「メトロエンジン」や、予約エンジンの「メトロブッキング」のサービス提供を行なっています。

日本全国のイベント情報を自動収集し価格設定に活用できるなど、地域特有の情報にアクセスできるようです。

ホテル業界などを対象に、需給や競合状況に応じて価格を変えるダイナミックプライシングを提供
  • 株式会社いちご

株式会社いちごは「PROPERA」は宿泊施設の価格設定を適切に行うダイナミック・プライシングのツールを提供してます。運用開始から1週間でデータを蓄積し、価格の推奨値を提示してくれるツールで初期費用はなく、室料売上の1%の手数料がかかります。

レベニューマネジメントシステム PROPERA(プロペラ)|株式会社いちご
PROPERA(プロペラ)は、実務経験豊富なレベニューマネージャーのノウハウを搭載した実践型レベニューマネジメントシステムです。初期費用無料で収益最大化への可能性にアプローチ!

ホテルの支配人やマーケティング担当は、宿泊価格の設定に頭を使っていましたが、現在はダイナミックプライシングのツールが提供されていて、効率的に確実な方法で価格設定が可能となりました。そことは少し違う業種、短期滞在用の賃貸マンションでは、2013年のBeyond創業以前は未開拓のサービスでした。日本でもこのようなビジネスが、どのように発展していくか楽しみです。

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