Rippling(リップリング):従業員IDをベースに人事・ITに関する複数のシステムを一元的に管理するプラットフォーム

人事管理システム海外企業

リップリングの創業と概要

世の中には、数多くの種類の人事管理システムが存在します。給与計算システム、勤怠管理システム、人事表システム、社内チャットツール、など、別々のソフトウェア、アプリケーションが存在します。

これらを一元管理し煩雑な処理を省くプラットフォームを提供しているリップリングを紹介します。

Rippling: #1 Workforce Management System | HR, IT, Finance
Rippling eliminates the friction from running a business, combining HR, IT, and Finance apps on a unified data platform.

2021年にアメリカのトップVCのセコイア・キャピタルがパートナーとなっています。

Rippling(リップリング)は、給与計算、福利厚生、勤怠管理、ソフトウェアの管理、セキュリティなど、クラウドベースの人事・IT管理のSaaS(Software as a Service)を提供する会社です。複数の必要な機能を一元的に管理できるプラットフォームを提供しています。

各社の人事部門では、給与計算、福利厚生、勤怠管理、人事評価などを取りまとめる必要があります。また、システム部門では、端末の割り当て、アカウント管理、パスワード管理などの整理を行う必要があります。

これらの管理を別々のシステムで、分散して管理していると、多くの手間がかかり、従業員の入社・退職の都度、面倒な手続きを行わなければなりません。

リップリング社は、企業が従業員の給与や福利厚生、デバイスやアプリを管理するためのサービスを提供しています。

一元管理できるプラットフォームは、リップリング社が自社で開発したシステムと、他社のシステムと統合しているものもあります。

Gmailのメーリングリストへの追加、Slackなどのチャットサービスへの参加、Boxなどの共有ストレージのアカウント発行、GitHubのシステムを管理するリポジトリへの追加を、従業員が入社した際に自動的に行います。また、従業員が退職する場合にはアクセスできないようにします。

2016年に、Parker Conrad(パーカー・コンラッド)がRippling(リップリング)を創業しました。

パーカー・コンラッドは、以前、Zenefits(ゼネフィッツ)という会社を創業していて、2012年から2016年までCEOとして会社を引っ張っていました。

ゼネフィッツはクラウドベースの人事プラットフォームを提供していました。急成長した会社で、2年余りで1万人の顧客を獲得するなど、注目を集めていました。

しかし、サービスの中の、健康保険を販売するのに、無免許の仲介業者を利用していたことが発覚しました。このコンプライアンスの問題をきっかけにパーカー・コンラッドはCEOを退任することになりました。

ゼネフィッツで推し進めていた人事関連のサービスの将来性を疑うことなく、リップリングを設立して新しい会社でさらに発展させることにしました。

営業支援システム(SFA)のセールスフォースは、顧客IDをもとに営業のための接点を作り、商談を行い、契約締結へ進めています。

それと似た発想で、リップリングは、従業員IDをもとに、各種システムを結びつけています。

各種のシステムに従業員IDを結びつけることで、各種設定、管理を効率に行うことができます。

煩わしい作業を自動化することによって、人が頭を使って検討すべきことに時間を使えるようになります。

給与計算システムは数多く存在しますが、リップリングでは、給与計算を自動化ことだけを目指したものではありません。従業員が入社した際に、ソフトウェア、アプリなどを自動的に管理し、昇進、異動、退職にも対応することができます。

リップリングのプラットフォームの特徴

人事やITに関するシステムを一元化するプラットフォームとは、どのようなものなのでしょうか。リップリングが提供しているワークフォース・プラットフォーム(従業員プラットフォーム)は、どのような特徴があるのか、ご紹介いたします。

複数のシステムを1つの場所で管理

入社から退職までの人事管理業務を、簡単に一箇所で管理できるプラットフォームです。

1箇所に入力すれば各システムのデータへ反映

従業員のデータを一元化して管理できるプラットフォームです。

これにより、数十の異なるシステムにデータを入力する必要はありません。

ワークフローの自動化

コーディング不要で、複数のシステムにまたがる手動プロセスを自動化にできます。

分析の統一と改善

人事、IT、財務、外部のデータを1つのアナリティクスシステムに統合し、レポートを作成して見える化できます。

ポリシーを一元化し、効率化

休暇制度、経費規程、ITセキュリティポリシーなど、システムに適用するために必要な作業をすべて自動化にします。

ユーザーの権限を管理し、承認申請を迅速化

クライアントの権限と承認プロセスを、クライアントの仕様に合わせて設計します。

具体的に従業員を管理するための機能は、次のようなものが含まれます。

  • 給与計算
  • 福利厚生
  • 勤怠管理
  • ラーニングマネジメント
  • タレントマネジメント
  • PEOサービス(より良い医療保険、献身的な人事サポート)
  • 手動のタスクや承認プロセスを自動化
  • 単純なタスクを自動化
  • 複雑な承認プロセスを自動化
  • カスタムレポートの作成
  • 統合された分析機能

日本の類似会社

日本でも、給与計算システム、勤怠管理システム、人事評価システムは数多く存在します。

しかし、自社が提供しているシステムを連携することはあるものの、リップリングほどのプラットフォームは見当たりませんでした。

参考までに、人事管理システムの一元化を目指している事業をご紹介します。

  • jinjer株式会社

jinjerは、人事労務・勤怠管理・給与計算・ワークフロー・経費精算・請求書・電子契約・WEB会議など、バックオフィス業務の効率化を支援するクラウドサービスを提供している会社です。

1つのデータベースで管理し、jingerが提供している給与計算、勤怠管理、ワークフローなどを連携できます。

ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに
クラウド型人事労務システム「ジンジャー」は「人事労務・勤怠管理・給与計算」などの人事の定型業務からタレントマネジメントまで1つのデータベースを軸に効率化・自動化します

複数のシステムをキーとなるIDをもとに一元管理すると、非常に効率的なものとなるようです。

人事やITの管理のために、従業員IDをベースに、自社・他社のシステムを統合して管理することで、煩雑な処理を省略することができます。

セールスフォースが提供する営業支援システム、リップリングが提供する人事・IT管理システムの他にも、一元管理できるプラットフォームも存在するんでしょうね。

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