Overtime(オーバータイム)の概要
Overtime(オーバータイム)という会社を紹介します。
オーバータイムは、Webサイトやテレビに集客してスポーツのコンテンツを視聴してもらうのではなく、Youtube、Instagram、Snapchat、TickTockなどでチャンネルを持って、そこでアマチュアのスポーツのコンテンツを公開しています。
若い世代の人たちがどのように動画を見るのかの特徴を掴み、スポーツのプレーヤー、クリエーター、視聴者、スポンサーのコミュニティを作り、新しい形のネットワークを作っている会社です。
オーバータイムは、ニューヨークのブルックリンに本社を置く、2016年にDan Porter, and Zachary Weinerによって設立された会社です。
Dan Porterはシリアルアントレプレナーでして、TicketWeb社の社長としてTicketMasterへ売却しました。
また、Richard BransonのVirgin Groupに所属中には、Virgin Festivalの立ち上げなど、複数の企業への投資を行いました。
また、共同創業者のZachary Weinerは、The Sports Quotientを設立した人物です。
オーバータイムは、学生時代からインターネットの環境が整っている中で生活をしてきたデジタルネイティブの世代をターゲットにしています。特に1990年中盤から2000年代に生まれたZ世代です。
この世代の人々はテレビを見る機会が少なく、スマートフォンで色々なSNS、メディアで情報を入手しています。
スマホでSNSなどを視聴する特徴として、長時間のコンテンツは好まれず、短時間の動画でないと興味を持たれないことがあります。
Z世代が視聴しやすいスポーツのコンテンツを制作し、そこに興味を持っている視聴者のコミュニティがつくられると、アパレルやスポーツ用品などのスポンサーが興味を持ってくれます。
テレビコマーシャルのように動画を中断して商品を表示するのではなく、コンテンツの動画の中でスポンサーの商品を使ってもらいます。
それによって、ストレスのないコンテンツの中で商品を広告でき、ポジティブな印象で商品を見てもらうことができます。
オーバータイムのコンテンツやカテゴリーの特徴
オーバータイムは、 Youtube、Instagramなど7つのプラットフォームのフォロワーは5千万人以上、月間の視聴数は15億回以上でして、膨大なファンを抱えています。
その視聴者の88%は35歳以下の若い世代でして、スポンサーとしてもターゲットが明確にセグメントできます。
YouTube、Snapchat、IGTVで40以上のシリーズものの動画を制作しています。
社内のクリエーターチームによって、「Challenge」、「Overtime All Access」、「The Book of Luther」などの長編コンテンツが制作されました。
また、Instagram、TikTokでは短編のコンテンツを制作しています。
短編のコンテンツは、社外のクリエーターによって提供されていて、専用アプリを使い、試合のハイライトなどをスマホからリアルタイムでアップロードします。
各チャンネルの概要は下記の通りです。
メインチャンネル「オーバータイム」
- Youtube(登録者数220万人、557百万再生)
- Instagram(フォローワー569万人)
- twitter(フォローワー96万人)
- Facebook(フォローワー186万人)
- TikTok(フォローワー1,820万人)
- snapchat
フットボールチャンネル「オーバータイムSZN」
- Youtube(登録者数52万人、145百万再生)
- Instagram(フォローワー109万人)
- TikTok(フォローワー230万人)
ゲームチャンネル「オーバータイム ゲーミング」
- Youtube(登録者数24万人、14百万再生)
- Instagram(フォローワー51万人)
- twitter(フォローワー13万人)
- twitch(フォローワー0.3万人)
- TikTok(フォローワー45万人)
サッカーチャンネル「オーバータイムFC」
- Youtube(登録者数0.8万人、0.2百万再生)
- Instagram(フォローワー62万人)
- TikTok(フォローワー320万人)
さらに、オーバータイムは、2021年、自社のプロバスケットボールリーグ「Overtime Elite」を立ち上げることを発表しました。
従来、高校や大学でバスケットボールをプレイし続けることを諦めていた若者に、健康保険などを提供するとともに、大学奨励金10万ドルの報酬を支払うというものです。
さらに、オーバータイムエリートでは教育コースを提供しています。高校卒業資格のほか、ライフスキルの育成に重点を置き、金融リテラシー、メディアトレーニング、社会的正義の擁護などに焦点を当てた教育のコースを提供しています。
日本の類似会社
アマチュアスポーツのマーケティング、広告という観点で類似したビジネスを行っている日本の企業を紹介します。
- 株式会社ookami
「Player!(プレイヤー)」というアプリを提供していて、スポーツのファン獲得に向けたデジタルマーケティングをサポートしています。
専用の管理画面で試合情報を入力することで、Player!(スマートフォンアプリ)、公式ホームページ、SNS(Twitter・Facebook)を活用でき、アマチュアスポーツ、マイナースポーツのファン獲得のための対策を簡単に実行できます。
- 株式会社グリーンカード
グリーンカードは、ジュニアサッカーのWebサイトを全国に展開するとともに各種イベントの運営を行っています。
日本から世界に通用するプレイヤーを供給することを目指し、アマチュアサッカーの発展に寄与しています。
デジタルネイティブの世代に合わせたスポーツのプロモーションを行うために、オーバータイムは、複数のSNSを利用し、そこで大きなコミュニティを作り上げています。
それによって、アマチュアスポーツやマイナースポーツ、さらには新しいスポーツのリーグを創造しています。
スポーツの大きな市場で、仕組みが作り上げられることで、スポーツの領域や対象の地域を拡大するなど、更なる発展も期待できます。
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